アニメのクリップと透過動画の有用性
1枚のAIイラストから、えっちなショートアニメを手動で作る方法について、解説と資料の記事で何度も説明してきましたが、要約してしまえば、
- GIMPで中割を作成
- FlowframesまたはPractical-RIFEで高フレームレート化
- Shotcutで結合
というだけの話です。
今回は更に作成効率やクオリティを上げたいと考えたときに、きっとぶち当たる問題について解説します。
ぼくは元IT系のエンジニアで現無職の暇人であり、絵心もなければ画像編集ソフトをまともに使い始めたのもここ半年くらいなので、変なことを言っていたらツッコミ/訂正頂ければ幸いです。
シーンを設計する
サンプルとして、先日PerfTile.ARTにアップしたこちらの動画を使います。
1枚のAIイラストを生成した後、どんな動きを付けようか考えると思いますが、ぼくの場合、下記のようにざっくりとシーンを分けてリスト化します。
シーン1:ループアニメ1(亀頭擦り)
シーン2:射精アニメ(手の中)
シーン3:ループアニメ2(ストローク)
シーン4:射精アニメ(ぶっかけ)
フォルダー構成
そして、シーンに合わせてフォルダーを作成。
簡単なアニメであれば、シーン1~4に合わせて、s1~s4のフォルダーを作るだけで終わりですが、今回は腕と本体を別々のクリップ(動画)にするため、腕用に「s1_arm」、本体用に「s1_girl」というフォルダーを作成しています。
フォルダーの内訳
| base | bg.webpや、closedeyes.webp等の静止画を入れるフォルダー |
| clip | シーンごとに出力する動画ファイル(mp4または透過動画の場合はwebm) |
| s1_arm | シーン1の腕部分の中割画像(2枚) |
| s1_girl | シーン1の本体(腕以外の部分)の中割画像(2枚) |
| s2 | 1回目の射精シーンの中割画像(6枚) |
| s2-s3 | シーン1からシーン2へ遷移する中割画像(3枚) |
| s3_arm | シーン3の腕部分の中割画像(2枚) |
| s3_girl | シーン3の本体(腕以外の部分)の中割画像(2枚) |
| s4 | 2回目の射精シーンの中割画像(9枚) |
| s4_2 | 射精後の表情変化画像(2枚) |
腕部分の画像:
本体部分の画像:
腕と本体を別クリップ(動画)にする理由
以前書いた腰の動きとSEや喘ぎ声を同期してみる実験」という記事の「パーツ分け」の部分でサラっと触れていますが、物体(人物)の交差があると、RIFEによるフレーム補間時に、どちらが先にどのくらいの速度で近づいたか判定できなくて映像が破綻する、という問題があるため、男女がダイナミックに絡むシーンでは必ずキャラクターの切り分けをします。
しかし今回はそういった理由ではなく、腕と本体の速度を別々に変更したいという理由で、腕と本体を別クリップ(動画)として作っています。
これが腕の動画ですが、VP9形式のため、再生できないブラウザもあるかも知れません。
PNG画像やWebP画像の透過(アルファチャネル)については有名なのでご存知の方も多いと思いますが、動画の透過については長らくクロマキー合成が主流だったため、あまり有名ではないかも知れません。
しかも、透過動画に対応しているのはVP8/VP9/AV1の3種類だけ。更に更に、ShotcutはAV1の透過情報は扱えないので、実質VP9限定くらいに考えてOKです。
動画を一般公開する場合、ユーザーの多いiPhoneではav1が再生できなかったり、opus音声がダメだったり色々と制約が多く、たぶん H.264/aac形式で出力される方が大半だと思います。しかし自分(編集者)だけが使う動画ならそんなことを気にする必要はないため、編集用と割り切って、透過が必要な場合はVP9で出力します。
左のプリセット欄にある「WebM VP9 with alpha channel」を選んで書き出すことで、透過情報を含んだWebM動画が出力できます。
そして、そのWebM動画をクリップとしてShotcutに取り込めば自由に速度変更が可能なのです。
画面左上に「速度:4.000000 x」と書いてあるのが見えますか?
クリップのプロパティで4倍速再生にしているだけのことですが、これが静止画の連番クリップでは出来ないのです。
(厳密にはフレーム数を指定することで再生速度を遅くすることは出来るが、それではせっかく高フレームレート化した恩恵が減る)
DaVinci Resolve等、静止画の連番クリップでも自由に速度変更できる動画編集ソフトもあるのですが、Shotcutは残念ながら出来ません。
仕方がないので以前は2倍フレーム補間、4倍フレーム補間、6倍フレーム補間という3種類のフレーム補間を用意して、速度を変えたいときは入れ替えて使っていたのですが、とんでもなく容量を使いますし、面倒くさいです。
また、このようにクリップ化しておけば、動きの途中で速度を変えたいときもSキーでカットしてプロパティで速度変更をするだけ、というシンプルさ。
中割の前半はゆっくり、後半は早く、なんてこともShotcut側で調整できるため、とても便利です。
ぼくはオープンソースを応援したいという気持ちで活動しているため、こんな苦労をしていますが、そういうコダワリがなければ他の動画編集ソフトを検討するのももちろんアリです。
ともあれ、どんな編集ソフトを使おうとも、腕と本体の速度を別々に設定したい(≒体はゆっくり揺れながら腕は早く等)場合はこうして別クリップとして作成するのが良いでしょう。
それぞれのクリップが別の速度で動作する、ということは結合部分(今回の例で言うと肩の部分)を動かすことが出来なくなるので、切り分ける箇所についてはよーく考える必要があります。
今回の例だと、肩でぶったぎりましたが、作成した後、よく見たらキャミソールの紐がズレるケースがあったので、肘の下からぶった切れば良かったなぁーと反省しています。
影の描写を忘れないように
AIイラストで1枚絵の出力はとても簡単になりました。rembg等のツールで背景の除去も簡単。
キャラクターやパーツの切り分けだけが本当に面倒ですが、それも切り分けた後にi2iで清書できるので、ちょっと工夫すれば昔では考えられないほど綺麗にレイヤー分けが出来ます。
一方で、そのせいで影を忘れちゃうんですよね。
個別のパーツを切り分けた後にi2iで清書した場合、AI側はどこに影を付けて良いかわからないため、自分で描く必要があります。
といっても、周囲のそれっぽい色をスポイトで吸って、やや濃い目にして透明度を調整して別レイヤーに塗り塗りするだけ。
上の動画の最後にやっていますが、これだと腕とか動かしたときに影が追従しないので、連動する部位と影は同一レイヤーに結合しても構いません。
そうすれば中割の作成自体は楽になりますが、後で修正しようと思ったときにちょっと後悔することはあります。ぼくはしました。なのでよほど面倒でない限りは影レイヤーは別にしています。
まとめ
ちょっとまとまりがない気もしますが、フレーム補間によるショートアニメを作り始めて、ぼくが最初にぶち当たった壁、
- シーンごとのクリップ分け
- 透過動画
- 影の付け方
について解説しました。
どこかの誰かのお役に立てば幸いです。














