同人エロゲーでAI音声を使う場合に考えること
ウィスパーボイス記事のコメント欄でハーレム同人エロゲーの話題があり、返信を書いていたら長くなってしまったので記事にします。
まず先にぼくの個人的な感想から書くと、4キャラもいて、かつパートボイスが選択肢のひとつなら、声優さんに依頼するのが良いのではないかなぁーとは思います。
ぼくがよく使わせて頂いているDLsiteの音声素材3パック2の出涸茶ノ湯様の場合はR18作品でも1,000文字6,000円くらいだし、昔ゆれゆれボイス関連で調べたときも声優さんの単価って安いんだなぁと感じました。(料金表の見方間違ってたらごめんなさい)
AI音声学習に使われる100文の台本(声優統計コーパス)があるのですが、これの文字数なんて4000文字未満です。24,000円で依頼できるなら即日支払いたいし、学習モデルとして使うことを正式に許可してくれるなら10倍でも安いでしょう。
…いや、今回はそういう話じゃなかった。
AI音声を使う場合の話。
権利的な話
AI音声をネット上に公開する場合、当たり前ですが権利的な話は避けて通れません。
うちのブログでよく使わせて頂いているのは、下記3つ。
- Anneli / Anneli-nsfw
- つくよみちゃん様のコーパスをSBV2で学習したモデル
- カノン様のコーパスをSBV2で学習したモデル
このうち、つくよみちゃん様とカノン様はめちゃめちゃ緩いライセンスで合成音声界隈では有名だと思います。ありがたい話です。
しかし、SBV2同梱のAnneli様については出所はわかりません。たぶんあえて公開していないのだと思いますが、ぼくが見落としているだけだったらごめんなさい。
AIについて興味を持ってちょっと調べればすぐ出てくる話題だと思いますが、著作権法第三十条の四により、AIの学習自体を禁止させることは(たぶん)出来ません。文化庁が出している「AIと著作権に関する考え方について」も興味深いです。
やろうと思えば素人でも数クリックで有名声優の声を学習させてAI音声化することが可能な時代です。
実際、アンダーグラウンドなページでは有名声優やキャラ名と共にそうした学習モデルが配布されていますが、これは違法です。
学習すること自体は違法ではないけれど、そこに声優名やキャラ名を紐づけて公開すると権利侵害になる…ようです。法律には全然詳しくないので、ググって調べた程度の話。
つまり、複数の声優の声を学習して、まぜまぜコネコネしてその声が誰の声かわからないレベルにした学習モデルなら、権利関係はクリア…と思われます。…たぶんね。
(自分の声が25%以上含まれている場合は利用規約に従うこと、と明言されているモデルもあります)
なにぶん、法律のほうがAIの進化に追いついていない状況なので、どう転ぶかわかりません。
なので、商用利用する場合は、つくよみちゃん様やカノン様のような、権利関係がハッキリしているモデルを使ったほうが良いかなーとは思います。
コーパスの配布者リスト
ホント、つくよみちゃん様には足向けて寝られないなーと思っていますが、コーパスを配布している声優さんたちのリストをまとめて公開してくださっています。
JVSコーパスを配布している声優さんのリスト
https://tyc.rei-yumesaki.net/material/corpus/voiceactress100/list/
ITAコーパスを配布している声優さんのリスト
https://tyc.rei-yumesaki.net/material/corpus/ita-list/
JVSコーパスもITAコーパスも、要するに「定型の読み上げ文章」です。どちらも基本的に100文程度で、AI学習に適した音素バランスを考慮した文章で構成されています。
この読み上げ音声があると高品質なAI音声モデルが作成できる、というわけですね。
実際、ぼくも上のリストでカノン様のページを見つけ、利用規約のQ&Aで、
Q&A
Q. ○○してもいいですか?
A. いいです。
Q. ○○したらだめですか?
A. いいっつってんだろ。
という文章を読んで腹抱えて笑いながら、敬意をもって使わせて頂こう、と心に決めた次第です。
ちなみに、コーパスが公開されている=自由に使って良いということではありません。
中には商用利用不可やNSFW不可が明記されていたり、公開する場合はクレジットを表記すること、などの条件がありますので、それぞれの声優さんのページでしっかり利用規約を読んで把握しましょう。
あえぎ声とチュパ音の問題
問題…というと大げさですが、エロゲーを作りたいと考えた場合、避けては通れない話題でもあります。
先述のとおり、コーパスを公開してくださっている方が意外といらっしゃるので、通常台詞の場合はそれをそのまま学習し使っても良いですし、まぜまぜして使うのも良いでしょう。
がしかし、それだけではあえぎ声やチュパ音は出せません。
数日前にチュパ音の動画でも言及していますが、通常、「はぁー、はぁー」とか書いても吐息にはなりません。
同様に「あんっ、ああんっ!」とか書いても普通は棒読みするだけ。
これをあえぎ声にしてくれるのはぼくが知る限り、Anneli-nsfwだけなので、このモデルとマージする必要があります。
しかもそれなりにマージ比率をnsfwへ寄せないと良いあえぎ声(良いあえぎ声って何だ?)にはならないのですが、寄せすぎるとみんなAnneliちゃんの声になってしまいます。
まぁ、チュパ音ならそこまでキャラクター性は出ないというか、高い声か低い声くらいの違いしかぼくにはわかりませんが…。
あえぎ声については、まぁまぁキャラ性が出ると思うので、ここが悩ましいところ。
じゃあ自分であえぎ声モデルを作るか、となると、これ相当大変だと思うんですよ。
例えば、つくよみちゃん様のJVSコーパスの例を出します。
001.wav|tsukuyomi-chan|JP|また、当時のように五大明王と呼ばれる、主要な明王の中央に配されることも多い。 002.wav|tsukuyomi-chan|JP|ニューイングランド風は、牛乳をベースとした白いクリームスープであり、ボストンクラムチャウダーとも呼ばれる 003.wav|tsukuyomi-chan|JP|コンピュータゲームのメーカーや業界団体などに関連する人物のカテゴリー 004.wav|tsukuyomi-chan|JP|サービスマネージャー導入駅のため、大井町駅から遠隔管理している。 005.wav|tsukuyomi-chan|JP|シルバーサーファー襲撃事件までに、リチャーズはチームメイトともに国際的にスーパーヒーロー及び有名人として認知されている。
このように、音声ファイルと文章をマッチングさせるesd.listというファイルを作るのですが、基本的には音声ファイルだけあれば自動で文字起こししてくれる機能があるので、鼻ほじりながらマウスクリックでOKなんですね。
でも、あえぎ声って文字起こし…できるのかしら…?
01.wav|nsfw|JP|あん 02.wav|nsfw|JP|ああん 03.wav|nsfw|JP|あんっ 04.wav|nsfw|JP|んぁ 05.wav|nsfw|JP|あひぃっ
みたいなリスト作ることになると思うんだけど、これをキャラ数分作るのってすさまじく大変じゃないっすかね。
Anneli-nsfwというあえぎ声が出せるモデルが1つ出てきただけですごいことだと思うんですよ。
同人エロゲーのために、あえぎ声モデルを作るとしたら、ぼくはそのモデルのほうを買いたいw
Anneli-nsfwの作例
過去記事で投稿したものですが、参考までにAnneli-nsfwの作例です。
気持ち良すぎる~(棒)
個人的な感想ですがAnneli-nsfwちゃんは「気持ち良い」関連の言葉がカタコトになりがちな印象。イントネーションは多少調声できますが、VOICEVOXやCOEIROINKのような異次元の調声は無理です。
上の作例はAI小説が出したシナリオをそのまま使うのがコンセプトだったので変更できませんでしたが、苦手な文章は苦手な文章とわりきって、別の台詞に変えるのが一番楽だと思います。
つくよみちゃん様の作例
こちらも過去記事で投稿したものですが、ASMR風動画で左耳がAnnel-nsfw+whisper2、右耳がつくよみちゃん様+nsfw+whisper1です。
つくよみちゃん様の声は素晴らしいのですが、合成音声にするとややシャリ感が出てヘッドホンで聞くとサ行が耳に刺さる場合があり、nsfwやwhisperモデルをマージするとちょうど良い塩梅かなと感じました。
カノン様の作例
これはPerfTile.ARTにしかUPしていないので一部のみですが、左耳のママがカノン様+nsfw、右耳がつくよみちゃん様+nsfw+whisper1です。
カノン様の声はコーパスで聞いたときは男前な印象だったのですが、学習してみたら、なぜかおっとりしたママ味のある声になり、どうしたものかと悩んでいたのですが、タイミングよく「ママショタ動画作れませんか?」というリクエストが届いたので上のような動画を作った次第です。
最近はこのカノン様の声をAudacityでロリ声化して、おねえちゃんのパンツコキ動画を作りました。
まとめ
雑多な記事になってしまいましたが、今まで書こう書こうと思いつつ、えっちな動画制作を優先してしまっていたため、後回しになっていた権利関係や、コーパスの配布元などの話がまとめられて、個人的にすっきりしました。
AIによって、IT業界では当たり前のように繰り返されてきた変化が、IT以外にも広がり、社会問題化しているように感じています。
自分の例でいうと、例えばMovableTypeやWordPressの登場で独自開発していたCMSが売れなくなったこと、EC-CUBEやShopifyの登場で独自開発していたショップシステムが(略
一見関係ないことのように思われるかもですが、技術の進歩には大きなうねりがあり、巨大資本にまっこうから立ち向かっても破壊されるだけなので、のっかっていくしかないと思うんですよね。
今の時代にGoogleなんてパクリサイトじゃないか!と声高に宣言しても失笑されるだけですよね? でもGoogle登場時はそういった声のほうが大きかったんですよ。
自分もYahooにウン万円も払ってサイト登録して頂いていた側なので、ロボット検索エンジンなんて自動で記事パクって、要約と称して他人の文章掲載する盗人じゃねーか、と内心思っていましたが、あっというまに少数派になりました。
AIについても同様で、色々と問題はあれど、そこを飲み込みつつ、うまく利用していかないとあっというまに時代に取り残されると思っています。












